
[char no=3 char=”松葉編集長”]荻窪検定初級・練習問題の答えは、「教会」です。[/char]
荻窪のライトアップ
杉並公会堂のあけぼの杉は光り輝く
「あっ」「わあぁー」、声にならない声が湧き上がり、次の瞬間、「きれい!」「すごいわ…」という声に変わった。暗闇を光の世界へと導いた杉並公会堂の点灯式のクライマックスシーンだ。
前広場の大きなあけぼの杉をイルミネーションで飾ること、今年で第11回を迎えたが、毎年、近くの天沼小学校の児童の歌声が花を添える。今回は、そのために、たった10日間でまとめたという、この日のための合唱団が、会場を盛り上げる大きな力になっていた。
ところで、こうした光に彩られたツリーは、これまで、年末に向けてのクリスマス商戦の波に乗ってクリスマスムードを盛り上げるための演出であった。しかし、最近では、東京タワーや丸の内、渋谷をはじめ全国各地のイルミネーションは、クリスマスとは限らず、街を飾る冬の風物詩になっている。
荻窪のイルミネーションもしかり。セブンスディ・アドベンチスト教会の大きなヒマラヤ杉の電飾が、長い歴史にクリスマスを迎えるシンボル的な存在であったが、今は、大田黒公園のライトアップはテレビにも紹介される立派な観光スポットで、遠くからも大勢の人が訪れる。また、駅西口前広場や、タウンセブン屋上のも見事。それらも、クリスマスだけというのではなく、期間も長く街を湧かせ、心楽しませる光のイベントとなっている。
荻窪で、最初に電灯が灯ったのは大正4年、セブンスディ・アドベンチスト教会だった。
杉並で最初のレンガ造り2階建ての洋館は、夜になって電灯がともると、それは、農村だった荻窪の暗いランプ暮らしの人たちの目に、「煌々と光に映えた不夜城のように」映ったという。そして、毎夜、近郷近在の人々までも見物に訪れたという。
光は、何時の世にも人を引き付ける。
荻窪百点319号 写真・文 松葉 襄