荻窪百点 315号 表紙に寄せて
松葉編集長松葉編集長

荻窪検定初級・練習問題の答えは、「池にロープを渡して鯉のぼり飾り 」です。

善福寺池の鯉のぼりたち
風よ吹けと願ったが…

5月の連休を使っての北アルブス合宿山行には、いつも密かに思う楽しみがあった。
列車が山間から甲府盆地にはいると、急な広がりに点在する農家に鯉のぼりが泳ぎ、鍾馗の幟がはためく様を目にした。それは、これからの厳しい雪山合宿前の和みであり、それだけに、とても印象深いものがあった。
つぎに鯉のぼりが印象に残ったのが、見事という言葉に尽きる渓谷をまたいで泳ぐ鯉のぼり
たちの群れ。報道されたが、何でも、都会では揚げなくなった鯉のぼりを集めて、年々増やして何百匹、壮観な展開となった。それからというもの、あちこちの川や池をまたいだ大規模な飾りが流行のように増え、楽しませてくれる。
 東京タワーには、333匹の鯉のぼりがお目見えした。東京タワーの高さ333メートルにちなんだもの。2011年からは東日本大震災の復興を願い、サンマの形をした長さ6メートルの「サンマのぼり」も飾っている。
「松葉さん、見た?」と声かけられて初めて知ったのが、善福寺池の鯉のぼり。すばらしい眺めではあったが、これまで見てきたパターンと比べて、今いちと思ってしまった。それは地形の関係なのか風が通らず、躍動感のある風に乗って泳ぐ鯉のぼりの姿がないからだ。残念である。とはいえ、ここのは池が見栄えをよくしている。 
 泳ぐ鯉のぼりを撮りたくて、かなりの時間、ここにとどまったが、思うような場面に合うことなく時間切れとなってしまった。思う鯉のぼりの写真には、飽くことなき時間との戦いが始まった。 写真・文:松葉 襄