[char no=3 char=”松葉編集長”]★「原爆の図・第10部《署名》を見よう」という展覧会の案内を、荻窪百点に載せてほしいと、読者から要望があった。会場はセシオン杉並展示室。「原爆の図・第10部《署名》を展示する杉並区民の会と、杉並区が共催だ。39頁[/char]★原水爆禁止運動といえば、昔はイデオロギー問題とからんで素直になれなかった時代があった。今でこそ、世界の課題(非核化)として取り組みは当たり前。そうなる歴史に杉並区は大きな力となった。ビキニ環礁の水爆実験で犠牲を伴なった第五福竜丸事件。
★海に広がる水銀汚染。汚染されたマグロが次々と日本の漁港へ。
 「ごめんだ!」と、汚染について杉並公民館(荻窪)で学んだ婦人たちが「禁止運動」に立ち上がった。杉並区議会の賛成で公に認められ、「原水爆禁止」の署名運動が展開され、世界へのアピールを広げた。荻窪に、原水爆禁止の「オーロラ」の碑も作られ、今に記憶にとどめている。杉並区議会の良識があってこそだった。
★リーダー役は館長で法政大学教授の安井郁氏。この運動を進めるに当たって、ちょうど仏教界で平和運動世界大会を日本ですすめていた常楽寺(長野別所)の半田住職を尋ねたことが、運動推進の大きな力となった。教授の長女が戦時中、桃井第二小学校で学童疎開した寺であったことがご縁だった。
★危険思想的とらえ方からの脱皮。発想の転換がよい方向に導く。
 「みんな仲良く遊んでいた。ところが、仲間の姿が次々と消えていく。そんなある時、自分の身体に変化が。そして軽くなって水中から浮き上がると空中へ。舞い上がり、陽光輝く中に自由に飛んでいる自分があった。仲間もいて、新しい世界があった」。ロシアの作家が、トンボの生涯に例えて、新しい世界を知ることを書いて妙だ。
★荻窪に、もっと荻窪らしさのある新しい世界があっていいと思う、素晴らしい荻窪だが、それで十分と思わないで。もうすぐ区議選。まずは、間違いのない正しい情報から。そして信頼。   松葉 襄
表紙・名称は「荻外荘通り」
          撮影・松葉 襄